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みんな死んでも生きていく(まつよのぞみ)

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『みんな死んでも生きていく』
まつよのぞみ

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19歳のとき、兄が自死した。

26歳の彼がもう生きていきたくないと思った世界を
これからもわたしは生きていくのか。

家族が死ぬのが怖くなった。
自分が生きていることすら、
どこか後ろめたかった。

祖母の介護、年老いる両親、消えない喪失感、
それでも時間は止まってくれない。

兄が生きられなかった未来を、
わたしは生きていく。

人生の主導権を取り戻し、
どう生きるかを選びなおす。

喪失と再生、家族との関係、
生きる覚悟を綴った九年間のエッセイ。

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目次
じゃあ、サイゼでまた
白百合とレモン
スタンプは既読無視するだろ
大至急「大丈夫」にしてください
このひとも、誰かの愛するひとなんだろうな
死ぬのって死ぬほど面倒
低空飛行の蝿に祈る
うちらは長生きしような
骨になってしまえば皆同じ
死にたいわけがない
夏至
それでも、長男になりたかった
初めてのさよなら
「それで、あなたはなにが好きなの?」

ここから先は道がない
縮命、延命
二枚目のカード
生きている大きなわたしを見て
会いたいからって死ねないよ

わかちあう
上書きするなら笑顔で
トゥルーエンド
あとがき


B6版/144ページ

著者:まつよのぞみ
装画:hoppe
(作者サイトより)

足場が崩れ落ちるほどの衝撃、自分が自分じゃないみたいな「大丈夫」の演技、ようやく兄に「さよなら」を言えた日、自分で道をつくると決めて選んだワーホリ。弱々しいけれど、いつまでもしぶとく残っている線香花火のような煌めきがあった。

「この気持ちはなんなんだろう。どういう意味なんだろう。いつからか、死にたいとか消えたいとか思う代わりに、他のことばに置き換えてみることにした。

「休みたい」「帰りたい」「疲れた」
萎れたフレーズから始まった言い換えゲームは、ふと怒りに着地した。

「許さない」
「好き勝手にさせない」
「もう言うことは聞かない」
「もう思い通りにはならない」

そのとき初めてわたしは、自分が怒っていることを知った。抑圧してきた怒りが噴き上がるのと同時に、なぜか元気になり、動けるようになっていた。」(p.52-53)

なんだろう。丁寧だからか。感情の奥に何があるのか、探っていく過程そのものを見せてくれた。ずしんと重しを乗せられて身動きが取れなくなる本じゃない。表紙のレモンイエローみたいな清涼感の出どころが気になって、目が離せない。
(店主コメント)

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