レシート日記(オギユカ)
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『レシート日記』
オギユカ
財布のなかに溜まっていく、白くて細長い紙切れ。
レシートは、本来なら買いものの記録でしかありません。
何を、いつ、どこで、いくらで買ったか。
ただそれだけが印字された無機質な紙のはずなのに、ふと見返すと、その時の空気感や自分の心のゆれが、よみがえってくることがあります。
迷って手にした春色のニット。
夫に分けてあげたいと思ったパンの味。
一人で聴いた夜更けのファミレスの閉店アナウンス。
この『レシート日記』は、そんな日々の断片を拾い集めた記録です。
2026年の1月から3月、冬から春へと移り変わる京都の街で、わたしが何に出会い、どんな気持ちでレジに向かったのか。
一枚のレシートから始まる、ささやかな15編の日記を収録しました。
誰かの買いものの記録なんて、他愛もないことかもしれません。
けれど、そんな他愛もない日々の積み重ねこそが、わたしを形作っているような気がするのです。
□著者プロフィール
エッセイスト、ライター。1992年早生まれ、埼玉・鶴ヶ島出身、京都在住。22歳年上の夫と暮らす。卒論のテーマにするくらいボードゲームが好き。毎朝ロイヤルホストのモーニングに行きたい。レシート日記を書いています。ご連絡は[email protected]へ。
□『レシート日記』
サイズ 210 mm × 110 mm(A5変形)
32ページ
1000円
(著者noteより)
お小遣いをもらって、ほしかった漫画を買いに行く——小学生〜中学生の、これらの瞬間を忘れることはなかなか無いだろう。いつも、親がくれた千円札がお宝に見えていた。
でも。大人になって、月に万単位でお給料をもらうようになると「何にときめき、何にお金を払ったか」忘れてしまう。それは憧れていた大人なのだが、幻滅していないと言えば嘘になる。
オギユカさんの「レシート日記」は、そんな「童心を失ってしまった大人」への朗報だ。ゴミとして捨ててしまっていたレシートと、その時どんな気持ちでレジに向かったかをセットで記録する試みを想像するとうっとりする。
「外からは燦々と陽が差していて、こんな風景のなかドーナツを待っているなんて平和なんだろう。キッチンからパチパチとはぜる油の音を聞きながら、京都で過ごす最高の午前中かもしれないな、と思った。」(p.10)
日記を読むと、やはり心が浮き立つ瞬間について綴られていて、ああ今すぐにでも真似をしたい! とテンションが上がった。一日単位で書かれているので、どこから読んでも良いのも気楽でありがたい。「毎日があっという間に終わっちゃうな」としょんぼりしている人に、ぜひ手に取ってほしい1冊です。(店主コメント)
