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壁さん新刊セット

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①『産まれたての日々』1冊
著者:壁 園佳

10年前、とある事件を皮切りに家族が次々と壊れてゆく。
父はうつ病になった。その介護によって追い詰められて、次第に狂ってゆく私。
消えたい気持ち、家や地元への憎しみ、自分への嫌悪感。
家庭内暴力、トラウマ、偏った固定観念。
「生きたい」と思いながら、生きてみたかった。
「生きていて良かった」と思う、そんな人が存在するなら私は他人の人生を生きてみたい。
自分の人生を手放したい。もうこの世から消えてしまいたい。
相続問題、借金、愛着問題、性への嫌悪感、罪悪感、怒り、上手く行かない夫との関係、私は自殺遺族で、虐待児だったという気づき。

それらに向き合った日々、そして少し変わったあとの日々を書いています。

私という人間、私の家族、この社会が産みだした人間たちを証明したい。
そんな気持ちを込めて執筆しました。
10年間の、小説のような日記エッセイです。

260ページ 文庫本サイズ 1500円(税込)

②『泡の中』1冊
著者:壁

小川くんが泡をふいて倒れた。横向きにうずくまった彼の体はもともと小さいのにさらに小さく、色白の顔はさらに白くなっている───
初めての事態や周囲のさまざまな反応に困惑する優花は小川くんの家にお見舞いに行くことになり……。

「『アンソロジスト』から生まれた文章講座」にて執筆した“〝短編小説〟です。

田畑書店の「ポケットアンソロジー」という商品に挟めるサイズになっています。
読者、講師の方たちから、
「小学生の心情、一人一人の政治が鮮明に描かれている」
「長谷川集平の『はせがわくんきらいや』を思い出した」
などの感想をいただきました!

〈冒頭〉
 小川くんが泡をふいて倒れた。横向きにうずくまった彼の体はもともと小さいのにさらに小さく、色白の顔はさらに白くなっている。口は半開き、端から半透明のプクプクしたものが出てはパチンと消え、出てはパチンと消えていく、ズレた瓶底眼鏡の隙間から見える目は普通の目ではなく、黒目が上に移動し半分が隠れている。一年のころに流行った、白目にする遊びをしているような目だ。
 ピアノの演奏が止まり、皆の歌声ではない声が聞こえる。「わっ」「先生!」
「やばい!」「は? え?」小川くんは周囲から遠巻きにされ、ひな壇の上で綺麗に並んでいた列には穴ができていた。

23ページ(約8000字) 文庫サイズ 税込み500円

<以上、著者サイトより>

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